SEVEN-BRIDGE

コンプ。プレイ時間は約12時間。音声飛ばせば10時間くらいで終わるかも(音声を飛ばしてはいけないが)。「七つの橋を越えてゆけ」とかいって第4章以降、極端に描写が端折られ、ダイジェスト版になってしまったのが残念。シナリオが間に合わなかったんだろうけれど、おもしろさは半減。10週打ち切りが決定してしまったんでとりあえず駆け足で話にオチをつけました、そんな感じ。
一応、物語は終結されている。ただ、前半の伏線が投げっぱなしだし、ダイジェスト版なせいかいまいちわかりづらい点が多かった。音声も含めた完全版、せめて音声追加パッチを希望しておく。
テキストと別の音声が流れるという演出は、読心術持ちという主人公の設定にうまく使われていると思う。3章までは。3章までは描写も演出もやたらと力が入っていて、それだけに余計にこのまま最後までやってくれたら、と思わずに入られない。
ストーリーは一本道。中盤でのみいくつか選択肢があるけれど、間違えると全て即死end。要はtrueendかbadendの二つしかない。キャラ毎にルートがあるわけでもなし。まあ、途中からエマがやたらとかわいくなってくるんで、僕はあまり気にしなかったが、腐れ縁のジェーン・ドゥルートがあれば良かったかも。
基本的にサブキャラはキャラが立っているようで立っていない。というのも、彼らに関する設定や伏線が生きたであろう部分がカットされているからだ。メインキャラクターの命名や伏線から判断するにケルト神話ネタで攻めてくるかと思ったけど、なんか名前だけで終わってしまっていた。
BGMは全83曲。ただし、ゲームの音楽鑑賞では聴けない曲が多い。というのもどっかで聴き覚えのある曲がやけにあるから。「take the A train」とか「Sing Sing Sing」とか。それ以外の曲のクオリティは異様に高い。本編の短さも相俟って、殆ど一回しか流れないようなものだが。
ちょっと面白かったのは、マニュアルに名前どころかゲーム中に立ち絵しかないようなサブキャラクター達。イスタンブールでスルタンの腰巾着をしてるイギリス人トーマスだのマハールカースト出身のアンベードカルと母親がドイツ・ヘッセン出身な少年ルイスの絡みだの「私はフランス」と叫ぶ三色旗フェイスの半裸マッチョ・シャルルだのプラハの町をさまよいながら「ある朝目覚めると……」とつぶやくフランツだの、まあ時々ニヤリとできるキャラが多い。そんだけなんだけどね。本当は彼らにも見せ場なりなんなりがあったんだろうけど、このゲームの後半はダイジェスト版なのでそんなこともなく。出来てきた理由がサッパリわからんキャラもいるし。個人的に髭のムスタファが気に入った。萌えじゃないけどなんかカッコいいぞ。こうした歴史ネタサブキャラクターのうち、イスマイルだけ元ネタがわからんのだけど、イスマイル・ハクなんだろうか。トルコはあんまり知らんので姓というか日本での通称もでてこないと気付きづらい。そういや山田虎次郎もでてきたが、こうしたキャラクターに関してはドラキュラ紀元みたいなことをしたかったのだろうと推測。
とにもかくにも後半が駆け足だった点が惜しまれる。そんなエロゲ。一応、エロさはエロ歴代嘘屋ゲーな中でも一、二を争う濃さだったと明記しておく。衆人監視プレイの開き直りっぷりには笑った。

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