マガジン9条 06年新春特別企画国民投票結果発表

 最初にこの企画を知ったときの予想通り、改憲派の圧倒的多数となったようです。IPがどうのこうのという話は置くとして、ネットで政治的な(それに限らないが)投票を行うことにはある種の危うさがあります。
 この投票でマガジン9条編集部が指摘しているように、現在ネット投票を行う上で「2ちゃんねる」の存在は看過できないものとなっています。モンスターが仲間を呼ぶドラクエじゃありませんが、圧倒的多数の住人を抱える2chであれば、ニュー速+板など複数の板・スレッドでマルチコピペを行うこと*1で(その投票内容がねらーの嗜好に合致するのであれば)ほっぼ無制限の増援を見込めるからです。実際、過去には以下のような「実績」を残しています。

 現在、異常な動員力を誇る2ちゃんねる全体に右傾的な傾向があることは否めません。そうした中で左翼的な(護憲派有利を期待する)投票を行うことはなかなか冒険的であろう、と言えるわけです。ネット上で大人数を動員できるような左傾化したコミュニティ(含む掲示板)でもできれば別ですが。


 もっとも、この投票にのみ関して言えば、選択肢の設定があまりにお粗末すぎた、という点も結果に影響しているように思えます。護憲派のマガジン9条編集部側が期待していた選択肢は5.の9条を変えないなのでしょうがそれでさえ

9条を変えない
冷戦終結のいま、EUや東アジア共同体づくりの動きに見られるように、武力を背景にした外交は絶えざる武力競争(緊張)やテロを生んでキリがないことに世界中が気づき始めている。9条はまさにそんな新しい時代のお手本になる憲法である
 したがって、自衛隊は解散し、一切の外国軍基地も存在しない非武装の国のかたちをつくっていくべきだ。

 これでは改憲賛成の選択肢に比べて説得力がなさすぎます。たまたまこの投票企画を見ただけの人(非ねらー)でもこれに投票してくれるでしょうか。そもそも、世界的に軍備放棄非武装の動きを見せている国というのはどれだけあるのでしょうか。現用戦闘機退役ながら予算不足で新型機導入できず規模縮小のフィリピン空軍などというレアケースは除いて。


 ついでに、護憲派選択肢の同一IP自作自演野郎は面白がった誰かがあえて短時間に重複投票したような気もしますが、重複分を加えた護憲派投票を全部合わせても、重複分を除いた改憲派投票の半数に達しないということは、(編集部も認めていましたが)ネット上においては改憲派が圧倒的であるという証拠になるのではないでしょうか。動員力がある=多数派ということになりますし。

*1:私がこの企画を知ったのもそうしたコピペを目にしたからです。

*2:リンク先にあるように途中からペ公式BBS祭とゆうこりん祭に会場移動