火器の誕生とヨーロッパの戦争

火器の誕生とヨーロッパの戦争

火器の誕生とヨーロッパの戦争

技術史を中心に火器の発展と戦術・戦史とのかかわりを論ずる一冊。中世〜近代欧州にかけて火器の果たした役割を過大に評価しているような気もするが根拠はない。

滑腔銃の弾道学は現代では必要とされなくなってほとんど研究されない分野だが、それゆえ先込め式火縄銃の射撃結果グラフなどは興味深い。30フィート離れたら等身大の標的にはあたらない。とはいえ当時の会戦は横隊で撃ち合うので左右どちらかに大きくそれても敵に命中しないわけではない。
といっても、滑腔兵器の不正確さが逆に作用したこともあるといって引いたサミュエル・ド・シャンプランが4発弾込めしたアルケブスの一射撃で3人のモホーク族を打ち倒したという事実は眉唾にしか思えないが、引用元に当たる気はないので本当かはわからない。

ピストル騎兵の有効射程距離と現代のピストルのそれが同じく5メートルにすぎないというのは当時すでにピストルの限界があらわれていたのだろうか。